読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

セミリタイア主夫の生活日誌

セミリタイアしたので必然的にミニマムライフになります

妻側の姓にするということ

9年前の婚姻時になんとなく妻側の姓に変えたのですが、今となっては特に不便なく生活しています。

エントリの本題はオペレーション面ですが、理由は感情面での姓を変更すること及び妻と同じ姓にすることによって感じるものや変化は結婚当時から今に至るまで特に無かったからです。たまにwebで「愛している人と同じ姓になれるのが嬉しい」みたいな記載がありますが、そのような感情は私にはありませんでした*1。姓はただの記号くらいにしか思っていないというのが大きいのかもしれないので、「家制度・同姓(夫の姓)・家父長制」を家族の絆や子孫繁栄の拠り所にするような人とは相容れないと思う自覚はあります。

以下に主に仕事関係での面倒だったり驚いたことを書き出しましたが、結果的には全然大した事無かったです。

仕事で使う姓の決定と運用

当時の勤務先では上司や諸手続きで関わるバックオフィスの人及び緊密に関わっている同僚以外には特に公表せず旧姓で通しましたが、仕事上の名前も転職のタイミングで戸籍上の姓にしました。 5年前の転職活動時にはC.V.に旧姓も書いておきましたが、今の就職活動では仕事上で改姓してから既に5年が経過しているのでもう旧姓は書いていません。

同僚から理由を聞かれる

日本国では未だに夫の姓に寄せるのが基本なようなので、当時の勤務先で改姓の事実を知った人からよく聞かれました。いちいち説明するのが面倒なので「じゃんけんで決めた」と言っていました。

一度「婿養子なんですね」と言われたことがありましたが、「婚姻」と「養子縁組」は全く別の話というのは常識だと思っていたので驚きました。その時は説明するのが面倒だったので曖昧に返しておきました。似たような話で、婚姻が新しい戸籍を作る手続きではなく、どちらかの家に元々ある戸籍に新しい人を加える手続きだと思っていた人が何人もいたのにも驚きました。「入籍」という言葉が既にある入れ物に何かを入れることを連想させるので無理もないとは思いますが。

入館手続きが面倒

客先の建物に入る際に名刺の提示では済まず公的なIDを提示する必要があるケースがありますが、営業がアポイントを取ってお客さんが守衛に事前入館申請をする際に旧姓で手続きが進んでしまうことがあり、当日になって違う名前の人間が現れておかしなことになることがありました。その場合お客さんにも事情を説明する必要があるので面倒でした。

金融機関の名義変更(米国)

国内は改姓用のフォームがあるので特に困りませんでしたが、当時の勤務先で報酬としてもらっていた株式を管理するための米国の証券会社の名義人情報を変更する必要があり、こちらが面倒でした。手続き内容は忘れましたが、自社のFinanceの部署と証券会社をたらい回しにされ両方と何度もやり取りをした記憶があります。

この時は最終的には会社から証券会社への通知だけで済みましたが、これが社員アカウントではなく通常のアカウントだったら英語版の公的書類が必要だったりしてもっと面倒だったかもしれません。

卒業証明書の記載変更

40歳を過ぎた今となっては就職活動で卒業証明書が必要になることも少ないですが、卒業証明書の記載変更には戸籍謄本が必要とのことでした。記載変更しなくても発行は可能ですが、その場合C.V.には旧姓も記載する必要が出てきます。


私の場合もサラリーマンではあっても客商売だったので全く無くはなかったのですが、特に自営業の人は自分の姓名が「ブランド」になっている事が多いと思うので、キャリアの途中で仕事上の姓を変えるのはあまり得策ではなさそうです。その場合通称として旧姓を名乗り続けることになると思いますが、上記のように仕事の中で公的な身分証明が必要になると厄介そうです。

そしておそらく多くの人にとって面倒なのは仕事関連ではなく両親や親戚なのかなという気はします。

私の場合はわざわざ知らせる必要もなかったので両親には改姓のことを話していませんでしたが*2、父の遺産相続の際に母親に戸籍謄本を送付したことで知られました。リアクションは「xx(妻の姓)にしたんだ?」「そうだよ」「ふーん」というくらいのものでした。母親は家意識や家制度に対しては複雑な思い(父親とその両親と一緒の墓に埋葬するのは勘弁してくれというくらい)なことも大きかったかもしれません。

ちなみに私の姓について親以外の親戚が知っているかどうかすらも知りません。

冒頭に書いた通り、絆の深さと姓は関係ない*3と思うので、政治的には夫婦別姓を選択できたり夫婦が新しい戸籍の作成に合わせて新しい姓を名乗れても別に良いとは思いますが、現行の制度である「同姓でなければならず、夫か妻の"どちらか"の姓を選ばないとならない」と実際の「夫の姓を選択するのが90%以上」という運用はあまり公平ではないように思えるので、時代に合った何かしらの不公平感の無い仕組みや考え方に変われば良いと思うし、制度が変わらなかったとしても意識が変わって姓の継承率が男女で半々くらいになればいいのにと思います。

もちろん好きで夫の姓に変更している人に対してとやかく言うつもりは無いのですが、実際のところどれくらいの女性が姓の変更をしたくなかったかのデータを見つけることはできませんでした。サンプルが少なく偏っているかもしれないと思われるものとしては以下のエントリに記載がありました。

wotopi.jp

1問目で「今後、別姓が認められても、旧姓には戻さない」と答えた人が76%だったのに対し、「結婚時、別姓にできたとしても、夫の姓を選んだ」という答えは50%に下がりました。

こういう我慢している人が減ればいいのにと思いますが、現行制度ではどうしようもないので妻の姓を名乗る男性がもっと増えても良いのではないかと思います。多分「業界・地域で姓がブランド化されている」とかでもなければ姓を変えたところで何の悪影響もありません。つまりwebで名前を検索しても出てこないような平凡なサラリーマンはほとんど悪影響も無いということです。

*1:愛する人と一緒に生活できるという嬉しさはありますが、それと姓を同一にすることは話の別です

*2:やましいから伝えられなかったというわけではなく、単に疎遠だったからというだけです。9年前に行った結婚する前の両親同士の顔合わせ会の次に両親に会ったのは、1年前の父親が死去する2日前だったので。

*3:逆に親戚でもなんでもない人と同姓だからというだけで絆が生まれるかというとそんなことはないですし