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セミリタイア主夫の生活日誌

セミリタイアしたので必然的にミニマムライフになります

最初に父が殺された - ルオン・ウン

購読しているblogで紹介されていたので、図書館で借りて一気に読みました。

aniram-czech.hatenablog.com

ポル・ポトクメール・ルージュに関してはNHKの「映像の世紀」をはじめとした各種映画・ドキュメンタリーやwebでの一般的な情報での知識しかなかったため、内戦状態のカンボジアを生き抜いたリアルな体験談というのは初めて読みました。

クメール・ルージュ支配下のカンボジアというと、どうしてもWebやYoutubeで見るS21)等での虐殺のことが第一に思い浮かびます。また、映像の世紀等を見ると家族はバラバラにされ、国民は少しでも笑ったり泣いたりといった感情を表に出すと即収容所に入れられ拷問され、生きては帰れないという感じを受けていましたが、筆者やその家族の様子を読むと、一ヶ月に一度はこっそり食べ物を持参してキャンプから親元に帰ることができていたり、筆者の兄が深夜にトウモロコシを盗んでそれをクメール・ルージュの兵士に見つかっても殴られただけで生きて帰れたりといった描写があり、筆者と兄が子供だからなのか、意外と緩い部分もあったことは新しい発見でした。

筆者が生き残れたのは賢い両親と兄弟姉妹の助け、本人の強さがあってこそだとは思います。筆者の強さには本当に驚かされ、感銘を受けるとともに自分には決して真似のできないことだと痛感しました。

bookmeter.com

上記サイトやAmazonのレビューにも複数の感想が書かれていますので、もっと詳しい感想はそちらを参照してください。
ちなみに本の内容とは関係ありませんが、上記サイトの感想で気になったのは以下の記述です。

最後の方で、クメールルージュの兵士をみんなで殺す場面がありなんだかなあと。結局本質的にはかわらないじゃん、やってること。立場が変われば虐殺する側に回れるのね。日本人にはできないな。

これは本の後半で、ベトナム兵の捕虜になったクメール・ルージュの兵士を、難民の集団がベトナム兵から奪い取って、群衆の中から立候補した女性二人が椅子に縛り付けられた捕虜の頭をハンマーでカチ割ったりナイフで身体を刺したりして私刑する描写を読んでの感想だと思いますが、この人はWWIIの時に日本上空で故障・撃墜によって脱出して降り立って日本人によって捕らえられたB29の乗員が民間人や兵士に私刑されたり人体実験の末に食べられたりしたことを知らないのかと疑問に思いました。

人の行動や考えはどこの国の人であるかよりも個人差や置かれた環境による違いの方が大きいことは調査の結果わかっているので、平時の考えや感情をもって「xxできない」と言っても実際にどうかはその状況に置かれないとわからないのではないかと思います。また、これとは別ですが統計の裏付けの無い日本人全体の行動規範の安易な決めつけは、それに則らない人は日本人ではないという差別意識や排他性にも繋がる可能性があるので少し危ういのではないかと感じました。